株主の皆様

2023年度、新型コロナ感染症対策が徐々に緩和され、経済活動も回復に向かい、市場は再び活気を取り戻しつつあります。しかし、経済環境は依然として複雑で不安定な状況です。マクロ環境が不明確な状況下でも、新世界グループは常に外部環境を敏感に察知し、強靭な忍耐力と革新力を武器に、市場におけるさまざまな不確実性に対応しております。

当グループは長年、「着実かつ長期的に、質の高い発展の道を歩む」ことを発展戦略として堅持して参りました。私どもは、質の高いプロジェクトだけが時代と共鳴し、遥かな歴史に足跡を残すことができると確信しております。当グループの発展戦略は、中国共産党第20回全国代表大会で提示された、「質の高い発展は、社会主義現代化国家の全面的建設における最重要任務である」という国の方針と期せずして一致しております。また当グループは国の要請に全面的に応え、広東、香港、マカオのグレーターベイエリアや長江デルタの主要地域において質の高いプロジェクトに全力で取り組み、創意工夫を凝らした都市ランドマークを建設して参りました。このように不断の努力を重ねるのも、中国の経済と都市の質の高い発展に貢献し、人々の暮らしに彩りを与えることに意義を見出しているからなのです。

新世界グループは、質の高い発展という理念を堅持し、今後も都市において質の高いランドマーク総合プロジェクトに取り組んで参ります。香港において、私どもは現在、ショップや飲食店、エンターテインメントを一堂に集めた大型複合施設である空港スカイシティーの11スカイズ(11SKIES)を積極的に推進しております。この香港の新たなランドマークは、ショップ、エンターテインメント、レジャー、医療、金融サービスを一体化させた地域のハブとなり、香港やグレーターベイエリアにおける他の都市、そして世界中の人々に、ユニークでイノベーショナルな体験を提供することでしょう。この他にも、香港の新たな幕開けのため、農地の転用や北部都市圏の建設にも積極的に取り組んでおります。

中国本土では、当グループの都市再生事業が本格的な収穫期に入っており、「産業と都市の融合」モデルを通じて都市に新たな意味を与え続けています。また、中国本土初のK11フラッグシッププロジェクトである「K11 ECOAST」は、2024年末の開業を予定しております。このプロジェクトは、計画当初から環境保全と持続可能な開発というコンセプトに基づいて進められており、「第14次5カ年計画」の循環経済発展計画と深圳市の「ごみゼロ都市」建設パイロットプロジェクトと積極的に歩調を合わせております。完成後は、グレーターベイエリアのウォーターフロントにおける新たな文化・商業的ランドマークとなり、グレーターベイエリアの文化・商業活動を推進する新たなマイルストーンとなることが期待されています。

戦国時代の思想家である荀子も、『荀子・勧学篇』の中で「蹞歩(きほ)を積まざれば、以て千里に至ること無く、小流を積まざれば、以て江海を成すこと無し。 鍥(けつ)して之を舍(お)けば、朽木も折れず、鍥して舍かざれば、金石も鏤(ちりば)む可(べ)し(訳注:半歩の歩みでも積み重ねてゆかないことには、千里の彼方へ行き着くことはできないし、細い流れの水を集めなければ、大きな川や海を成すこともできない。刻むことを途中でやめれば朽木でも折ることはできないが、途中でやめなければ金属や石にも彫り込むことができる)」と述べています。当グループは半世紀以上にわたり、製品の設計から施工、管理に至るまで、終始一貫して「質の高い発展」という理念を堅持しながら、質の高いランドマークを次々と建設することにこだわり続け、都市の繁栄に貢献して参りました。当グループはこれまで困難や試練を乗り越えながら、輝かしい実績を積み重ねてきました。新世界グループが今日、業界の模範となる企業となるまでに成長できましたのも、ひとえに当グループの経営陣から末端の社員に至るまでの全従業員の忍耐と献身、そして株主の皆様の長年にわたるご支援とご信頼の賜物であります。これからも私どもは、時代の荒波にもまれながら、共に歩み、着実に前進して参ります。

 

会長
鄭家純博士
中国香港、2023年9月29日